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まったりゆったり、小説を書いたり、戯言を言ったり……… はてさて、今日は何をしようか………
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―序章―

 

―神は人に二物を与えず

―しかし、一物は与える

―生きる意志さえあらばいずれわかるだろう

―神から与えられし己の力を

―たとえ、望んでいなかったとしても

 

                     (サイハの私記より)

 

 

 朝。穏やかな朝日がカーテンの隙間から射し込んでいる。かすかに開いた窓から風が部屋へと入り、カーテンを空中で踊らしている。踊るカーテンの下には、ベットが一つ。ベットの主はまだ夢の世界に旅立っている。

お~い!起きなさ~

遠くから起こそうとする女性の声が近づいてくる。それは、どこにでもありふれた朝の光景だった。そう、どこにでもありふれた。ドアが開く、その瞬間までは………。

「いい加減に!起きんか~!」

「………………っ」

 怒りを含んだ怒声とともに、飛んできたのは、おたまと鍋を打ち鳴らす音でもなく、怒りの鉄拳でもなく、ましてや彼女自身の体でもなかった。飛んできたのは……数本のナイフ。もちろん刃は付いている。そして、そのナイフは寝ていたベットの主の急所を的確に狙った殺意あふれるものだった。

「………チッ、避けたか。起きたんならさっさと着替えて来い

「……それが、今殺そうとしたやつが言う台詞か」

 ベットの主はぎりぎりで飛んできたナイフを避けていた。そして避けた状態で固まっていた。少し長くなってきた髪が目に掛かり表情が読みにくくなっていた。しかし、髪の奥の目は鋭く彼女を睨んでいた。

「やっぱりお前か。まぁ、お前じゃなけりゃ死んでるか」

 彼女はそう呟くと廊下に出て行った。しばらくした後ベットの上の彼が身じろぎした。

「…う~ん。良く寝た…って、何で僕は座ってるの?…っていうかベットにナイフが刺さってる!」
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