まったりゆったり、小説を書いたり、戯言を言ったり………
はてさて、今日は何をしようか………
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―第一章・よろず屋+隣人=厄介事?
―人は立ち止まる
―輪廻の交差点の中央で
―目の前には二股の道
―人は選び歩んでいく
―振り向かない限り
―人であることを辞めない限り
―道はあり続ける
(カンネの詩より)
―Ⅰ―
「えっ。仕事ですか?」
朝ごはんのために食堂の机に座っていた煉は、朝ごはんを運んできた青年にそういった。
「ああ。…急だ」
「急に急ぎの仕事が入ったけど仕事が詰まっているから代わりに請け負ってほしい、というわけですか」
「ああ」
どこか暗い印象の青年のとても短い言葉にそこまでの意味があるとは、ほとんどの人が分からないでしょう。これは長年近くに住んでいるからこそ出来る技………ではなく、感覚的に分かるそうです。事実、煉より長くその青年と近所づきあいのあるキリでさえ意味を的確に言い当てることはほぼ不可能なんですから。朝の一場面からそんな高技能を見せ付けている煉は、仕事の話の詰めに入ったようです。
「政府からの依頼ですか。少し厄介な事になりそうですが請け負いましょう。して、報酬はどのくらいでしょう?」
「…五百」
「なるほど。前金二百万、成功報酬六百万の計八百万で、僕達の取り分が五百万ですか。悪くないですね」
どこをどうやって聞いたら五百があんなに正確なものになるのかまったく分かりません。まぁ、二人の間で意味が通じ合っているならいいでしょう。ちなみに、煉はごらんのとおり青年と普通(?)に会話できますが、黎はそんな芸当が出来ません。同じ体なのに不思議な事です。
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